- グロース投資始めたいけど、PER100倍とかPERがN/Aとかなってて高いんか安いんかわからん
- PERはわかるけど、PSRってなんやねん
- PSRって売上しか考慮してないし指標として本当に使えるん?
- 自分でいろいろ数字イジって銘柄分析したいけど、どうしたらいいかわからん
株価の割高/割安をはかる超重要な指標「PER」
まず、はじめに一般的な株価指標について説明します。
一番有名なのがPER(株価収益率)ですね。
グロース銘柄に使う株価指標「PSR」
グロース銘柄は利益が出ていない。そこで売上高を使った指標が「PSR」です。
PSRの改良余地と新指標
さて、ここまで既存の株価指標を見てきましたが、ここからは新指標の考察に移りたいと思います。
このことを考えたきっかけは、米国株村のはっさくさん(@hassakumacro)のこのツイートがきっかけです。
そこでこのPSRを工夫して、売上成長率(YoY)と粗利益率も加味出来る指標を考えてみました。
— はっさく@米国株皮算用投資家 (@hassakumacro) August 30, 2021
この指標の計算式は
売上成長率(YoY)+粗利率) / PSR
で表されます。
例えば $MQ の売上成長率 = 76.14%、粗利率=41.85%、PSR= 34のとき、この新指標は3.4と計算でき、高ければ高いほど比較割安とします。
しかしAFRMとAMZNとのニュースはAFRMの売上成長率を爆発的に伸ばす可能性を秘めていると思います。これはPSRでは表せません。
— はっさく@米国株皮算用投資家 (@hassakumacro) August 30, 2021
そこでこの提携で仮に成長率が+100%となる場合、この新指標では株価が50%あげたとしても売上成長率(=100%) + 粗利率(=51.37%) / PSR(=34) = 4.5になります。
かなり荒い発想で役に立つかは未知ですが、せっかくなのでこの新指標を「はっさく指標」と命名して使ってくれたら嬉しく思います笑🙏
— はっさく@米国株皮算用投資家 (@hassakumacro) August 30, 2021
まず、既存のPSRはグロース企業で重要視される「成長率」と「利益率」が加味されていない。
基本として、高い成長率の企業は高いバリュエーションが許容されます。
そのため、単純に現時点での売上による比較であるPSRを使うのはグロース企業の指標として乱暴だろうということですね。
そこで、新しく提案されたはっさく新指標を提案されました。
はっさく新指標
新しく提案されたはっさく新指標は以下の式です。
はっさく新指標から私が考えたこと
この新指標の式を見て私がまず思ったのは
色々と考えて頂き有難う御座います!
— はっさく@米国株皮算用投資家 (@hassakumacro) August 31, 2021
もう少し背景を丁寧に記載すれば良かったのですが、(YoY)+粗利率はグロース銘柄の”40%ルール”を参考にしています。説明不要かもしれませんが、40%ルールは、「SaaS企業の売上高成長率と営業利益率の値が40%を超える企業は健全な企業である」という考え方です。
非常に面白いです!ありがとうございます。
— SAN@投資 (@cafeSAN3) August 30, 2021
質問ですが、例えばPERの場合(PSRでも)基本的にはPER5倍とPER10倍では横の比較で株価は2倍割高と判断できると思う(成長率等は度外視してPERのみでの比較)のですが、新指標の場合、新指標の5倍と10倍では単純に2倍割高とは判断できないですよね?
(はっさく指標の場合、数値が高いほうが割安なので、2倍割高ではなく、1/2のバリュエーションの間違いです)
この部分を少し解説します。
ともに1000円の株価である企業A(EPS50円)と企業B(EPS100円)を比較したとき、我々の直感としては株価が同じで利益は1/2なのだから2倍割高になっていると株価指標としてわかりやすいわけです。
この企業AのPERは20倍、企業BのPERは10倍となり直感と一致します。
企業A | 企業B | |
株価 | 1000円 | 1000円 |
EPS | 50円 | 100円 |
PER | 20倍 | 10倍 |
これはPSRでも同じです。
ともに時価総額が1000億円の企業A(売上50億円)と企業B(売上100億円)
この場合企業AのPSRはBの2倍になります。
企業A | 企業B | |
時価総額 | 1000億円 | 1000億円 |
売上 | 50億 | 100億 |
PSR | 20倍 | 10倍 |
はっさく指標を見てみましょう。
売上高成長率が40%の企業Aと売上高成長率が80%の企業Bを比較してみると
企業A | 企業B | |
PSR | 50 | 50 |
売上高成長率 | 40% | 80% |
粗利益率 | 60% | 60% |
はっさく指標 | 2 | 2.8 |
このように、成長率が2倍でも指標は2倍になりません(はっさく指標は値が大きいほうが割安)。
これは、直感的には少しわかりにくいんじゃ無いかと感じました。
・時価総額を1割上げてもはっさく指数は1割下がらない
— Dr.Bklz Saxena OL🔰🇺🇸🇭🇰雑コラFカップ (@Biz_zatukora) August 31, 2021
因子の寄与度の差などを考えると中々頭がいたくなりますね
ちょっと様々なケースにはめてこれを使って色々考えてみようと思います
SANが考えた新指標
このはっさくさんの考え方、つまりPSRに成長率と粗利益率を加味した指標というのは非常に面白いと感じたので、自分なりにはっさく指標の数字をイジって改良してみようと思いやってみました。
まず、はっさく指標のコンセプトを考察しました(これは、はっさくさんの考えとは異なると思います)。
- 成長率を加味する=将来の売上で計算する
- 粗利益率を加味する=売上ではなく利益で評価する
このことから、将来の粗利益で評価する指標を考える
これを頭に置き、はっさく指標を少しわかりやすく書くと、「PSR=時価総額/売上高」だから、次のようになります。
こう見ると「売上高×成長率」がでてくるので「将来の売上」を考えていることがわかります。
次に、私が違和感を感じた「足し算」の部分を「掛け算」に変えてみます。
すると分子は「売上高×成長率×利益率」となるので、「将来の利益」を計算していることになります。
さらに、PSRとの対応がわかりやすいように逆数にして時価総額を分子に持ってきます。
以下の変更をしたら次のようになります。
PSR・はっさく指標・SAN指標の比較
さて、一旦新指標が完成したところで、この3つの値をいくつかの企業で計算して比較してみました。
データを比較しやすくするために、はっさく指標は逆数にして100倍しています。
(つまり率を%でなく素の値にしています。つまり50%=0.5として計算することになります)
つまり





3指標を比較して、私なりの考察と結論
結論は、私が使うとすると
比較に使った「はっさく指標」は変形しているので注意!
最後に、誤解が無いように再度注意を書かせていただきます。
はっさくさんが考案された指標は
結局、いろいろ考えたり議論したりするのが楽しい
ツイッターで自分よりレベルの高い人達の考えや議論を見させてもらって、自分なりに考えたり、リプで教えてもらったりできるのは本当に恵まれてる時代だなと改めて感じました!